ゲージボソンは力を伝える
前のページではクォークとレプトンについて学びました。
次やゲージボソンの役割について学びましょう。
ゲージボソンは素粒子の間に働く力を伝える粒子です。
ゲージボソンには光子、Zボソン、W+ボソン、W-ボソン、グルーオンの5種類があり、
これらが電磁気力(電気と磁気の力)・弱い力・強い力の3つの力を伝えています。
素粒子はゲージボソンを"キャッチボール"することで他の素粒子と力を伝え合います。
例えば、上の図は2つの電子が飛んできて、途中で電磁気力を伝え合い、飛び去っていく様子を表しています。
途中で電磁気力を伝えるゲージボソンである光子をキャッチボールしています。
キャッチボールをするゲージボソンの種類によって異なる力が働きます。
素粒子の間に働いている3種類の力がそれぞれどのようなものか見ていきましょう。
すでに上の説明で出てきましたが光子が伝えるのが電磁気力です。
電磁気力は電気に関連する力や磁石が伝える力である磁力などのことです。
3つの力の中では一番身近かもしれません。
電子を原子核の周りにとどめている力もこの力です。
名前を見て気づいたかもしれませんが、電磁気力を伝えるゲージボソンである光子は光と関係しています。
次に、弱い力はZ・W+・W-の3つのゲージボソンによって伝えられる力です。
中性子が電子と反電子ニュートリノを出して陽子に変化するベータ崩壊などを引き起こす力です。
その他にも、太陽の中で起きている核反応にも関連しています。
ちなみにこの力が「弱い」力と呼ばれるのは電磁気力と比べて弱いからで、
力が弱いのはこの力を伝える3つのゲージボソンが質量を持つことに関係しています。
最後に、グルーオンが伝えるのが強い力です。
前のページで中性子や陽子は3つのクォークからできているという話をしました。
3つのクォークをくっつけているのが強い力です。
つまり、グルーオンがなかったら私たちや私たちの周りの物質はバラバラになり、クォークになってしまいます。
この力が「強い」力と呼ばれるのは、電磁気学と比べて力が強いというのが理由です。